今回は、インドについて話していきたいと思います。皆さん、インドと言えば、どんなイメージがあるでしょうか?カレー?そうですね、確かに、インドではカレーが大変よく食べられています。ターバンを巻いた人達がたくさん?それはシーク教徒の方々がする格好で、実際には、そうで無い方もたくさんいます。

インドを一言で表すとしたら、私は少なくともこう言います「カオスである」と。まあ、一つの国を一言で表す、と言う行為自体がナンセンスと言う話はあると思いますが。

実際に、インドを旅するバックパッカーの人達は口を揃えてこう言います。「インド人の相手をするのは本当に疲れる」と。彼らは、まあ何と言うか、色々と適当です。列を並んで何かを買うと言う習慣がないとか、客と見るや、殺到するリキシャの運転手の人達とか、自分の行きたい宿の名前を言うと平気で「そこは今休みだ!」と平気で嘘を言って、自分がマージンを貰える宿に連れて行く、などなど。まあ、基本的にすぐバレる嘘をつくので、滅多にそれに騙されたりする人はいないのですが。

こういう人達との戦いが、イコール、インドの旅の日常になってしまうのです。バスに乗るにも、列車に乗るにも、物を買うにも、宿を取るにも。心身ともに、この国を旅すると言う事は、とても疲れる事である事は、認識していないと大変かと思います。勿論、全ての人がインド人は疲れるか?と言われると、そうではありません。素朴で優しい人達もたくさんいます。例えば、列車で出会った家族連れのインド人の方々。とても優しくしてくれて、ただの席が一緒になった旅人の事を本当に心配してくれて、「困った事があったら、いつでも私の家に来てくれ」などと言われる事もそう、珍しい事ではありません。本当に同じ人種なのか?と思ってしまうぐらい、優しくてまともな人もいるのです。

ただ、どうしても、旅行者を相手にする人達は、何とか少しでもお金を得ようとして、こちらにつまらない嘘などを付くのです。嘘をつかなくても、旅人を見つけては、勝手にマッサージを始めたり、物を売りつけようとしたり、彼らの相手をするのは、本当に疲れます。

そんなインドですが、でも、そんなところが魅力でもあったりするのです。不思議な事に。あんなに嫌な思いをしていても、「あれ、俺、またインドに行きたいと思ってる……?」などと思ってしまう旅人はたくさんいます。これを旅人の間では「インド病」と呼んでいます。この病気を治す方法はただ一つ。「インドにもう1回行く」以外ないのです。

インドの魅力は本当に不思議です。移動するのも色々と大変ですし、不衛生なので、うっかりすると、下痢などの病気に悩まされますし、でも、その旅は一番「旅をしている」実感があるのではないでしょうか?旅の中に身を投じると言う事は、イコール戦いの中に身を投じる、と言う事を意味します、インドの旅は。しかし、その戦いの中でしか見えないものもあるからなのか。人々はまた、インドに足を向けるのです。自分の生きる証を実感したくて。

インドの旅、少し脅したところもあるかもしれませんが、確かに一度行ってみて欲しい国の一つです。そこにはあるのです。我々日本人が、日本にいては絶対経験出来ない何かが。