海外を旅する日本人バックパッカーが時々思ってしまう事。それは「日本人と喋りたい……」と言う事です。海外を旅していると、ほとんど日本人がいない様な地域、と言うのが少なからず存在します。周りは現地人ばかり、少しは英語を喋る事が出来て、現地の人ともそこそこコミュニケーションが取れるバックパッカーの人でも、それが長いと、段々日本人との会話に飢えてくるんですよね。

そういう時に、バックパッカー達の心のオアシスの様な存在になるのが、海外の国に点在している「日本人宿」です。「日本人宿」とは何ぞや?と言う方に説明しておくと、色々な事情によって、宿泊している人間の人種がほぼ100%近く日本人ばかりになる宿の事です。先にも書いた通り、ほとんど日本人とお話が出来ない状況の中にあると、こういう宿に泊まっている日本人との出会いがとてもありがたい物になります。そこが日本人宿になる事情は、単純に経営者の方が日本人だったり、価格などの問題で、自然に日本人がその宿を定宿にするなど、本当に様々です。大抵が同じ旅好きが集まるので、話が合い、あの国はこうだった、などの情報交換の場にもなる事が多々あります。

宿によっては、日本人の方が経営している事もあって、出てくるご飯が日本食もどきの物だったりして、現地の食事にいささか辟易している方などが、涙を流さんばかりにその美味しさに感動するなどの姿も見られます。特に食べる物がスパイシーな味ばかりの国の場合は、体調を崩したりした時に、この日本食もどきが、本当にありがたかったりするのですよね。

そんな日本人宿。バックパッカー達のオアシスの様な宿ですが、良い事ばかりでは無い時も。それは「主」の存在です。全ての日本人宿にいる訳ではありませんが。時々、長くその国、と言うかその宿に滞在する事で、自分が偉くなったと何故か勘違いをして、実際にその宿のリーダーを気取る人が時々います。気の良い人であれば、特に問題ないのですが、時に頑固で、自分の意見だけが絶対で、それを押し付けてくる人も中には残念ながらいます。そういう人達の傾向としては「長い旅をしていれば偉い」と言った考えの方がほとんどです。特に大学生のバックパッカーの方達は、休みが長くても2ヶ月程度ですので、半年などの長期間の旅をしているだけで、尊敬の目でその人を見てしまう人もいます。

そうやってえばっている人も中にはいますので、上手く対処して、変な因縁などをつけられない様にするのも、旅をする上で大切かもしれません。

ただ、そういう日本人宿独特の気質が嫌で、あえてそういう宿は避ける、と言う人もバックパッカーの中にはいる事も覚えておいた方が良いかもしれません。どちらを選ぶかは、あなた次第、と言ったところでしょうか?